Special
Project Storyプロジェクトストーリー座談会
〈リニューアルオープンの大型総合公園〉
最先端のシステムを取り入れた
収容台数1700台超のビッグプロジェクト
Member Profile
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小嶺 和之
技術管理部
開発運営グループ
2009年入社〈このプロジェクトでの役割〉 提案条件に合致する機器の選定、工事を行う関係各所との調整、クライアントとの交渉など
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内田 光春
技術管理部
開発運営グループ
2006年入社〈このプロジェクトでの役割〉 機器と工事業者の選定、工程管理、完了検査など
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平塚 潤
営業第1部
営業2グループ
2011年入社〈このプロジェクトでの役割〉 クライアントへの提案〜受注、チームメンバーとの意見調整など
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下田 洸輔
営業第1部
営業2グループ
2017年入社〈このプロジェクトでの役割〉 機器の選定に必要な資料の作成や工事業者との調整や工事指示、運用に関する調整・検討、売上データの報告など、工事開始〜現在に至る窓口業務全般
Section O1
提案から受注まで
小嶺
公園の管理運営を行うクライアントが、2023年春にリニューアルオープンする総合公園の駐車場の管理委託を検討されていると知って、提案に参加したことがこのプロジェクトの始まりだったよね。
平塚
そうですね。クライアントの中でも、この総合公園を最先端の技術やシステムを取り入れたモデル施設にしたいということで、駐車場においても最先端のシステムを導入することを要望されていました。
内田
受注まではどういう流れで進んだのですか?
平塚
メンバーの意見も聞きながら、ナンバープレートをカメラで読み込むチケットレス駐車場システムを提案することにしたんだけど、クライアントから出される前提条件がなかなか定まらなかったこともあって何度も再提案を行いました。そうやって粘り強く対応しながら何とか他社との競争を勝ち抜き、無事受注することができた、と。
下田
クライアントとの交渉ではどんなことを意識していましたか?
平塚
どんな案件でも同じだけど、交渉で大切なのは、クライアントの意向を汲み取り、それに沿った提案すること。ただ、クライアントのことばかりを考えていると当社の利益を毀損する可能性もある。だから、これ以上は譲れないという線引きを自分の中で明確にして、交渉に臨むよう意識しているよ。
Section O2
工事の開始から完了まで
小嶺
下田くんは、クライアントへの提案が終わった頃からこのプロジェクトに参加してくれたわけだけど、難しかったこととか意識していたのはどんなこと?
下田
今回の案件では、駐車場の機器設置工事を施設全体のリニューアル工事と並行して進めていたので、日程の調整が難しかったですね。作業を行う各社の都合もあるので、機器設置工事を単体で進めるときとは異なる調整が必要で、そこは慎重に行いました。
小嶺
工事の立ち会いや開業前の打合せで現地に足を運ぶことも多かったでしょう?
下田
そうですね。ピーク時には月の半分以上、片道2時間かけて現地訪問していました。海沿いの道を走るので、行きの明るい時間帯はいいんですけど、暗くなってからの帰りはちょっと寂しかったです(笑)
平塚
わかる(笑)。途中参加だからこその難しさもあったんじゃない?
下田
それに関しては、これからプロジェクトに加わるメンバーのためにも、プロジェクト内容の引継が重要と考えて、いつ何をしたのか、これから何をしなければならないのか、プロジェクトの状況とその時点での決定事項がわかる資料をまとめることを意識していました。あとは、現地での打合せには当社以外にも多くの会社が参加しますし、その場で決定することも多いので、今後の課題や改善点も含めて毎回議事録を作成し、関係者間で打合せ内容を共有できるようにしていましたね。
平塚
小嶺さんには、チケットレス式駐車場の条件に合致する機器の選定と、それに伴う工事の調整、クライアントとの交渉などを担当していただきました。特に機器の選定では、図面の作成まで進んだところで急遽、別のメーカーに変更するなど、イレギュラーな対応もあって、大変お世話になりました。
小嶺
機器のメーカーはいくつかあって、それぞれのメリット・デメリットを勘案した上で、社内の事情も踏まえ、あるメーカーの機器を選んだのですが、図面を作成はじめたところで当社のシステムとうまく連携が取れないことが判明しましてね。
平塚
それに伴う対応で、何か気を遣われたことはありますか?
小嶺
メーカーを変えても総合公園のオープン日は確定していますから、工事完了の期日は変えられません。幸いクライアントは理解を示してくださいましたが、メーカーを変えることで微妙に変わる工事もあるので、先方の工事担当者に不安を感じさせないよう、その後の工程をいかにスムーズに進めるかという調整に注力しました。
下田
内田さんは工事が開始した後、技術管理部門を小嶺さんから引き継がれたんですよね。
内田
そうです。ですから、プロジェクト終盤になってようやく参加したという感じです。
小嶺
志半ばで引き継ぐことになって残念な気持ちもあったけど、ちょっとホッとした気持ちもあったり(笑)。内田さんに引き継いだ後、さらに新たな機器を導入するという展開もありましたから。
内田
はい。オープン3週間前に、各種の割引や優待を受けるユーザーを判別するための遠隔カメラ(カメラ付きインターフォン)を導入することになり、それを私が担当しました。
小嶺
当社でも前例のない機器の導入だったし、それにはユーザーのストレスにならない仕組みから考えなければならないので、相当大変だろうなと思って見ていたけど、意外とスムーズに進めていたので驚きました。
内田
ありがとうございます。何とかオープンには間に合いました。ただ、電波が制限される地域だったこともあって通信状態が安定せず、実は今も運用に影響が出ているんです。機器を入れ替えるなどして対応を続けていますが、今は別手段として、遠隔カメラが作動しない場合に備えて、コールセンターに直接つながる受話器(オートフォン)を設置しています。安定的に運用されるまではまだ少し時間がかかりそうです。
平塚
個人レベルのスマホでは何も問題なかったし、通信状態が安定しないというのは予想外でしたからね。
内田
そうですね。この駐車場ではバスも同じゲートを使用するのですが、一般車との判別が難しくて、そこも鋭意改善中です。私たちはメンテナンスも含めて運営をずっと見ていくので、安定稼働は永遠のテーマだし、たとえ何が起こっても「経験値を積んでいる」と前向きに捉えて、周りのメンバーの力も借りながら乗り越えていこうと思っています。
Section O3
開業から現在
小嶺
今振り返れば、4月の開業当初もいろいろありましたよね。
下田
事前にシミュレーションはしていたけれど、ナンバーをきちんと読み取れなかったり、システムがダウンしたりということが起こってしまって。来場者数が想定以上だったり、帰宅時間が重なって出庫ラッシュが発生するなど、通常の駐車場とは異なる対応もあって、事前の予測や対策の重要性を痛感しました。
平塚
ただ、GW前の休日にそうした出来事に対処できたおかげで、その後のGW期間は大きなトラブルなく乗り切ることができたんだけどね。クライアントからは感謝のお言葉もいただけたし。
下田
だからこそ、オープニングセレモニーや実際の来場者を見たときに感じた「やっと開業できた!」という達成感は忘れられないですね。
平塚
うれしかったね。今回は初導入の機器も含めて想定外のことがいろいろとあって、下田くんと内田さんはまだその対応が続いているけど、どれもこのプロジェクトに加わらなければ経験できなかったこと。トラブルの事例もその対策も、今回起こったすべてのことを今後の提案に活かしていきたいね。
下田
そうですね。このプロジェクトを経験したことで、これまでとは違う、よりリアルな提案ができそうな気がしています。内田さんはどうですか?
内田
私は、今後も運営を見ていく者として、クライアントやユーザーの声に耳を傾け、できる限りの改善を継続して行っていこうと思っています。そうやって時間を味方につけてリカバーできるのが駐車場運営の面白いところでもありますから。そして、今回の遠隔カメラもその一例ですが、前例にとらわれず、常に新しい情報を取り入れ、導入を検証し、他社にはないサービスを作り上げていけたらと思っています。